高校3年生の主人公・木下巴は、弓道部の部長。
弓道道場主である祖父につき、幼い頃から弓道を嗜んできた。
最近の関心事といえば、跡継ぎのいない道場の行く末。
毎朝道場の雑巾掛けをしたり、インスタント食品はあまり食べたことがないという、
今時の高校生とは一味違う古風な女の子である。
そんなある日、同じ弓道部の男子から「部活の後、話がある」と意味ありげに告げられる。
放課後、待ち合わせ場所の図書室で彼を待つ巴だが、
時間つぶしに手に取った一冊の本が、彼女の運命を大きく変えることになる。
「なんの本だろう。なんだか不思議な装丁だな」
昔の中国らしき地図が描かれ、『三国志』の文字が記された本。
中には武将の顔が描かれた人形がおさめられていた。
巴は面白半分で、本に書かれた質問に答えていく。
うっかり落とした人形が、本の上で跳ねる。
その瞬間、ゆらりと地図が揺らぎ――……
突如、本が光りだした!
「え……、何、これ……!?」
再び目を開けた時、そこはもはや彼女の知る世界ではなかった。
血で血を洗う戦乱の世で、巴を待ち受けるものとは――!?