高校3年生の主人公・木下巴は、弓道部の部長。
弓道道場主である祖父につき、幼い頃から弓道を嗜んできた。
最近の関心事といえば、跡継ぎのいない道場の行く末。
毎朝道場の雑巾掛けをしたり、インスタント食品はあまり食べたことがないという、
今時の高校生とは一味違う古風な女の子である。

そんなある日、同じ弓道部の男子から「部活の後、話がある」と意味ありげに告げられる。
放課後、待ち合わせ場所の図書室で彼を待つ巴だが、
時間つぶしに手に取った一冊の本が、彼女の運命を大きく変えることになる。

「なんの本だろう。なんだか不思議な装丁だな」

昔の中国らしき地図が描かれ、『三国志』の文字が記された本。
中には武将の顔が描かれた人形がおさめられていた。
巴は面白半分で、本に書かれた質問に答えていく。

うっかり落とした人形が、本の上で跳ねる。
その瞬間、ゆらりと地図が揺らぎ――……

突如、本が光りだした!

「え……、何、これ……!?」

再び目を開けた時、そこはもはや彼女の知る世界ではなかった。
血で血を洗う戦乱の世で、巴を待ち受けるものとは――!?




『三国恋戦記』の第二作にあたる『魁』は、前作を遡った時代が舞台となり、
登場キャラも新しくなった完全新作です。

女子高生が不思議な本の力で三国志に良く似た世界にタイムリープ、
というテーマは同じですが、
主人公、時代、登場キャラはすべて一新されます。

主人公がタイムリープする先は、
三国が覇権を争う以前の、より戦乱と混沌が激しい時代。

そして恋のお相手となるのは、
戦乱の世に覇を競う一癖ありすぎるダークヒーローたち。

前作以上に戦いや死がリアルな、
英傑達の荒々しい野望がぶつかり合う世界で、
古風な女子高生であるヒロインが彼らとどんな恋愛を育むのか、
恋愛模様を丁寧に描き出していきます。
キャラルートによってヒロインの行動も千差万別ですが、
前作以上に葛藤し苦悩するかもしれません。